電子セラミック・プロセス研究会 会員各位
平成28年9月27日
電子セラミック・プロセス研究会
会長 山本 孝
第158回電子セラミック・プロセス研究会プログラム
評議員会(評議員,役員のみ)
(12:00-13:00)
特集テーマ: 「低炭素社会の実現にむけた電子材料・デバイスの開発」
あかりの歴史を見ると、1879年に白熱灯、1938年に蛍光灯、1996年に白色LED(現在のLED照明の原型)のように約60年ごとに新しい「あかり」が登場している。LEDは長寿命で、消費電力が少なく、低炭素社会を目指す我々にとって相応しい「あかり」である。有機EL照明は最も発光効率が高く消費電力が小さく、1μmという超薄、超軽量でLED電球よりも広範囲を暖かく照らすことができる。
次世代の半導体チップ内集積配線材料として、グラフェン・CNTなどのナノカーボン材料が注目されている。これら材料の配線適用に向けた低温合成技術や抵抗低減技術および300 mm径Siウェハ上での配線形成プロセス技術の開発状況について紹介する。
文部科学省のGRENEプログラムの中で、新規鉛フリー圧電体材料開発と高周波振動発電デバイスの実証研究が平成23年度から平成27年度まで実施された。参加機関は、NIMS,東大,京大,芝浦工大,東工大,湘南工大,JFCC,龍谷大,神戸大,福岡大で、振動発電用材料として有望な鉛フリー圧電体をいくつか抽出することができたので、本講演で紹介したい。
熱を電気へと変換する熱電変換技術は、廃熱エネルギーを有効活用する手段として注目されている。本講演では「スピンゼーベック効果」に基づく新しい熱電変換素子について紹介する。スピンゼーベック熱電素子では、スケール則が従来型の熱電素子と大きく異なり、素子サイズを単純に大きくすることで出力電力の増大が可能となる。この原理を利用したコーティング型の熱電素子により、様々な熱源を活用した応用可能性が期待される。
筆者は、1980年に入社以来30年以上もの長きに亘りBaTiO3をベースとしたMLCCの開発に関わってきた。2003年にそれまでの検討を纏める形で、JJAPにReview paperを投稿する機会を得た。それから今日まで、技術的にどんな進展があったのか?当時の夢をどれだけ実現できたのか?自戒を込めながら振り返るとともに、MLCCの今後についても改めて考えてみたい。