電子セラミック・プロセス研究会
法人会員・関係者 各位
法人会員・関係者 各位
平成30年9月7日
電子セラミック ・ プロセス研究会
会長 山本 孝
第168回電子セラミック・プロセス研究会プログラム
評議員会 (評議員 ・ 役員のみ)
(12:00-13:00)
講演特集テーマ:「「圧電材料・デバイスに関する研究開発動向」
弊社が開発した(K,Na)NbO3-KTiNbO5系複合無鉛圧電材料は、KNN系圧電材料の課題である焼結体内部ポアの生成が抑制され高い圧電特性を示す。この材料をベースに開発したCFZ材粉末に関して、量産性やシート成型性、HALT等の絶縁特性を調査し、良好な結果が得られた。また、実際にブザーを作製。振動板やセラミック厚み等の構造を工夫することで現行のPZTブザーと同等の音圧および同等の温度に対する音圧の変化幅を確認した。
近年、BAWフィルタ(FBAR)は5G以降の3 GHzを超えるフロントエンドの周波数フィルタとして有望視されている。本講演ではBAWフィルタ用の圧電薄膜に要求される性能について説明する。さらに、As-grownウエハのk値や音響定数の評価方法、ScAlN成膜時の注意点、について解説する。
先達の努力により、圧電性の評価、医療診断装置の定量評価手法は開発されているが、強力超音波の定量評価に向けた取り組みは少ない。超音波装置の再現性向上を目指し、超音波装置の音響出力の定量評価を試みた。堅牢ハイドロホンの開発を含め、その取り組みについて紹介する。
休 憩
(15:00-15:20)
圧電セラミックスを応用したデバイスのうち、主に超音波帯の屈曲振動に着目したセンサ応用商品について事例を報告する。とりわけ振動ジャイロと超音波トランスデューサは量産実用化も成功したので、その市場背景と低コスト、高性能化のための設計最適化について解説する。
村田製作所で19年、大学で25年、圧電セラミックスおよび鉛系リラクサ単結晶の研究開発を通して、圧電性の起源である「強誘電体ドメイン配向」と「圧電体を伝搬する縦波および横波速度から求めた弾性定数」との関係を明らかにした。更に、「ポアーフリー(無空孔)セラミックス」や「圧電定数のウェハー間バラツキ」の評価方法への展開についても述べたい。
引き続き17:10頃より、芝浦工業大学内で自由討論会(参加費¥3,000円、交流棟・生協2Fホワイエ)を行います。多数の方の参加をお待ちしています。
第168回担当幹事:有光 直樹(昭栄化学工業株式会社)