電子セラミック・プロセス研究会 会員各位
平成28年11月3日
電子セラミック・プロセス研究会
会長 山本 孝
第159回電子セラミック・プロセス研究会プログラム
評議員会 (評議員、 役員のみ)
(12:00-13:00)
特集テーマ: 「電子部品の信頼性」
高集積半導体不揮発メモリの主役であるフラッシュメモリが微細感限界を迎え、遂に3次元立体メモリへと変貌を遂げた。
しかし3次元化により未来が拓けた訳ではなく、むしろ微細化技術の終焉が始まっている。微細化→低コスト化→大容量化→市場拡大のシリコンサイクルが崩壊しつつある。最後の砦は抵抗変化型の新型不揮発メモリか?
代表的な強誘電体はぺロブスカイト構造(ABO3)を有する。積層セラミックスコンデンサー(MLCC)の基本組成はBaTiO3、積層アクチュエータ(MLPA)の基本組成はPb(Zr,Ti)O3である。これらのデバイスに用いられている強誘電体材料の信頼性にはBaTiO3の酸素(O)欠損評価、Pb(Zr,Ti)O3のそれには鉛(Pb)欠損評価が重要である。ラマン分光法を用いて信頼性評価を行った結果について報告する。
電子部品にはより一層の小型化高集積化が求められるとともに、多様な環境下での使用に耐えうる高信頼性が求められる。MLCC(積層セラミックキャパシタ)に代表される誘電体応用デバイスにおいても信頼性をいかに向上させていくかが大きな課題であり、その評価手法の重要性も増している。ここでは、KFM(Kelvin probe Force Microscopy)を用いた誘電特性劣化のメカニズム解析や、TSDC(Thermally Stimulated Depolarization Current)法やDLTS(Deep Level Transient Spectroscopy)を用いた誘電体の信頼性に関わる基礎物性の評価事例について紹介する。
紙への印刷はやがてなくなるだろうという仮定のもとリコーでは電子ペーパーの実現に向け印刷で造るフレキシブルディスプレイの開発を行ってきた。本講演ではこの技術紹介と最近のインクジェット印刷による電子セラミックス材料のオンデマンド形成技術について紹介する。
プラスチックフィルム基板上に印刷法で作製できる有機薄膜トランジスタ(TFT)を用いたスマートラベルやウエアラブルセンサは基礎研究やIoTなどの応用面から注目されている。本講演では、印刷可能な種々の材料の開発、印刷型有機TFTの実現と高性能化、その集積回路(デジタル、アナログ)の作製、およびバイオセンサ応用等について紹介する。