
電子セラミック・プロセス研究会
法人会員・関係者 各位
法人会員・関係者 各位
令和7年6月2日
電子セラミック ・ プロセス研究会
会長 中平 敦
第207回 電子セラミック・プロセス研究会、年次総会・
一ノ瀬昇賞受賞記念式典プログラム
年次総会および功労賞授与式
(13:00-13:30)
特集テーマ:最新の誘電体材料および応用技術
TDK(株) 山崎 久美子(13:30-14:10)
電子部品の高性能化および小型化に伴い、キャパシタも小型化・薄型化が求められており、より高い誘電率を有する誘電材料の候補として近年SrTaO2Nが注目されている。その誘電率は、従来の酸化物とは異なり、局所構造である酸素と窒素の配列に起因すると推定される。酸素と窒素は同じサイトを取り合うため特にバルクでは合成が難しいが、拡散距離が短く非平衡な状態での薄膜形成においては比較的容易に合成可能である。当日は成膜方法、酸窒化薄膜の誘電性およびその将来性について報告する。
名古屋大学大学院工学研究科エネルギー理工学専攻 近藤 真矢(14:10-14:50)
強誘電体の電気光学(EO)デバイスは、光変調器や光メモリスタなどへの応用の観点で近年大きな注目を集めている。光集積回路への集積化に向けて、薄膜形態でのEO効果の制御、及びその評価技術も重要となる。発表者らは、電界変調型エリプソメトリーを用いて強誘電体薄膜の様々な物性とEO効果の関係を明らかにしてきた。本講演では、強誘電体の歪みやドメインによるEO効果の制御やHfO2基などの新規強誘電体のEO効果などについて紹介する。
休 憩 (14:50-15:00)
東京理科大学 田中 優実(15:00-15:40)
エレクトレットとは、半永久的に帯電状態を維持し、周囲に安定した電場を供給する材料である。近年では、環境中に存在する微弱な振動エネルギーを活用する静電型振動発電デバイスの発電素子としての応用が注目されている。本講演では、イオン拡散を利用した分極誘起とその固定化という概念に着目したセラミック系エレクトレットの開発指針とその特徴を概説するとともに、環境発電素子としての応用展開について、最新の研究例を交えて紹介する。
熊本大学 松尾 拓紀(15:40-16:20)
強誘電体をはじめとする結晶構造に中心対称性を持たない物質は、pn接合の形成無しに光照射下で電流や電圧を生じる。この効果はバルク光起電力効果と呼ばれ、バンドギャップに制約されない巨大な開放電圧の発生や、入射光の偏光状態に依存する光電流の生成など、pn接合の光起電力効果には見られない様々な特徴を示す。本講演では、バルク光起電力効果について概説し、その機能増強に向けた最近の研究について紹介する。
休 憩 (16:20-16:40)
一ノ瀬昇賞授賞セレモニー
(16:40-17:00)
中平 敦 (電子セラミック・プロセス研究会会長)
今中 佳彦 (一ノ瀬昇記念賞選考委員長)
戸田工業株式会社 黒川晴己, 藤田竜二, 宇根本英知, 河口誉元, 岡崎精二(17:00-17:30)
電子部品の中で半導体の機能を最大限に引き出す受動部品は積層セラミックコンデンサであり、その素材であるチタン酸バリウムを、いかに均細で高結晶な粒子とするかという課題を戸田工業では水熱合成法で微細かつ高結晶性の粉体の合成に成功した。
株式会社村田製作所 内藤 正浩(17:30-18:00)
温度補償用MLCC向け誘電体材料・プロセスを改善することで、MLCCの構造欠陥抑制、信頼性向上、容量変動抑制を達成した。これにより、不良低減、ラインアップ拡大、を実現し、エレクトロニクス分野の発展に貢献することができた。当日は温度補償用MLCCの特徴や開発のポイントについて発表する。
6月28日(土)18:00より、自由討論会(参加費 ¥3,000)を(講演会場と同じ場所)にて行います。 奮ってご参加いただき討論をお続けください。多数の皆様のご参加をお待ちしています。
第207回担当幹事:佐藤 祐介(TDK(株))
Yusuke.Sato@tdk.com
Yusuke.Sato@tdk.com
一ノ瀬昇賞受賞記念式典担当幹事:今中 佳彦(上智大学)
imanaka2020@gmail.com
imanaka2020@gmail.com
オンライン担当 : info-ecpm@elecera.org
ホームページ : http://elecerapm.com/